202311/26
変形性膝関節症に関する投稿です。 変形性関節症は、関節を構成する骨の間にある軟骨の劣化により関節に痛みや腫れが生じ、最終的には関節の変形をきたす変形性疾患です。 加齢、遺伝、肥満のほか、スポーツ、仕事、事故などによる関節の損傷によって引き起こされるます。 今回は変形性膝関節症の病態についてまとめました!
1.はじめに
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変形性膝関節症は、加齢、遺伝、肥満のほか、スポーツ、仕事、事故などによる関節の損傷によって引き起こされる疾患です。 50歳以上の方で、レントゲン所見上、変形性膝関節症にかかっている人は2,400万人で、これは50歳以上で罹患されている方の2人に1人の割合といわれています。 さらに痛みを有する患者は820万人で、割合に直すと6人に1人、特に女性が多く、男性の1.5〜2倍の数となっています(2007年 東京大学医学部22世紀医療センター発表)。
変形性関節症は、関節を構成する骨の間にある軟骨の劣化により関節に痛みや腫れが生じ、最終的には関節の変形をきたす変形性疾患です。 膝や足の付け根、肘、肩などの関節に痛み、腫れなどの症状がみられ、関節炎を引き起こします。 この病気の発生や進行に関係する要因としては、加齢、遺伝、肥満のほか、スポーツ、仕事、事故などによる関節の損傷があります。
2.変形性膝関節症の原因と分類
変形性関節症とは、関節の間にある軟骨が擦り減ったことで滑らかに動かなくなり、関節の骨などが摩擦を起こして炎症を起こし、水がたまったりする症状のことです。 また、骨棘(こつきょく)という骨に棘のような突起ができて関節が変形していきます。
健全な状態の関節は、可動性があり、日常生活の中で受ける負荷に耐えられるような構造になっています。 また、関節の骨の末端部は軟骨で覆われていて、これがクッションのような働きをしています。 この関節の軟骨が長年の負荷によって徐々にすり減っていくと、動きが悪くなったり、炎症や痛みを伴うようになったりします。
膝関節の場合、毎日体重の負担を受けながら動かしているため、太腿とすねの骨の間でクッションになっている軟骨や半月板が徐々に擦り減ってきます。 加齢に伴い軟骨が十分に再生されなくなると、軟骨の下の骨も擦り減って、滑らかな動きが阻害され、炎症や痛みを生じます。 日本人の場合、すねの骨が内側に弯曲しているので、体重のかかり方から内側の軟骨ばかりが擦り減り、徐々にO脚になることが多いのが特徴です。
3.変形性膝関節症の症状とは?
男女比は1:4で女性に多くみられ、ご高齢になるほど罹患率は高くなります。 主な症状は膝の痛みと水がたまることですが、初期から末期までの大まかな症状をまとめました。
立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみの痛み、休めば改善する痛み
可動域制限が出現、正座や深くしゃがむ動作、階段昇降での制限、休んでも痛みが改善しにくい。
安静時痛が出現。変形が目立ち、膝が完全に伸びなくなる など
このように、膝の痛みは段階を経て悪化していきます。膝に生じているこわばりや違和感、痛みは、もしかすると変形性膝関節症の初期症状かも? 思い当たった方は、一度医療機関の診察を受けてみてはいかがでしょうか。
4.予防するためのエクササイズをご紹介
変形性膝関節症を予防するために様々な方法が推奨されています。
今回は理学療法士目線での予防のために必要なストレッチをご紹介させていただきます。
- 骨盤運動
- もも裏ストレッチ
- もも前ストレッチ
- 背中ストレッチ(広背筋)
膝の筋肉は骨盤についている筋肉が多いため、骨盤の動きを柔軟にすることで膝への負担が軽減します。 ゆっくりと呼吸に合わせやってみましょう。
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もも裏にはハムストリングスという大きな筋肉が付着しており、様々な動作に対して膝関節の安定性に関与しています。 柔軟性が低下することで可動域の制限や痛みの要因となってしまうため、こまめなストレッチをオススメします。
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もも前には大腿四頭筋という筋肉があり、立ち座りや歩行、階段昇降などで膝を支える重要な役割を果たしています。 大腿四頭筋の柔軟性が低下すると膝蓋骨と呼ばれるお皿の動きを妨げてしまい、軟骨の摩耗や可動域の制限、膝を曲げた時の痛みの要因となってしまいます。
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膝の痛みなのに背中?と思うかもしれませんが、背中には広背筋と呼ばれる大きな筋肉がついています。 広背筋の柔軟性が低下すると、背中が丸まってしまい、お腹やお尻の筋肉が緩んで働きづらくなるため大腿四頭筋やハムストリングスに過度な負担がかかり、関節的に膝の動きを妨げてしまいます。
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変形性膝関節症は慢性進行性の疾患です。体力の低下や柔軟性の低下によって関節への負担が増大することで膝の軟骨や半月板が摩耗し、関節の変形や症状が進行してしまいます。
症状の進行を食い止めるためにはリハビリや適度な運動が推奨されています。運動前に体の環境を整えるためにストレッチなども是非実施してみてください。
症状の進行は歩行が困難になるなど、日常生活への影響は計り知れないものになります。リハビリや運動を通して進行を遅らせたり、症状を改善させることが可能ですので、お悩みの方はこの機会に是非ご相談ください。少しでも有益な情報となれば幸いです。
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