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脊柱管狭窄症って何?〜病態について〜

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症に関する投稿です。 加齢に伴う症状の代表的なものとしてあげられる脊柱管狭窄症。厚生労働省の調査では、40歳以上で脊柱管狭窄症と診断された患者様が580万人を越えていると報告されており、 その数は中高年層の10人に1人の割合となります。こちらでは、そもそも脊柱管狭窄症とは何か?原因や症状は?についてまとめてみました!

1.はじめに

脊柱管狭窄症のグラフ

 加齢に伴う症状の代表的なものとして脊柱管狭窄症があります。 厚生労働省の調査では、40歳以上で脊柱管狭窄症と診断された患者様が580万人を越えていると報告されており、その数は中高年層の10人に1人の割合となります。 こちらでは、そもそも脊柱管狭窄症とは何か?原因や症状は?について書いていこうと思います。

2.脊柱管狭窄症とは

 脊柱管の内側にある黄色靭帯が分厚くなったり、あるいは骨そのものが変形突出したりすることで脊柱管が狭くなった状態のことを指します。 脊柱管が狭窄すると中を走る神経が圧迫されるため様々な症状を引き起こしてしまいます。

脊柱管のイラスト

 脊柱管(せきちゅうかん)とは、椎骨が連なってできたトンネル状の管のことです。 管の中には脳から続く脊髄神経が収まっており、脳脊髄液で満たされています。 脊髄神経は腰椎部では馬尾神経や神経根になっています。色が付いている部分が『脊柱管』です。

3.脊柱管狭窄症の症状について

 脊柱管狭窄症は神経根型、馬尾型、混合型の3つに分類され、狭窄が起こる場所によって症状が異なります。

脊柱管狭窄症の分類
  • 神経根型
  • 主に脊柱管の外側が狭くなり、神経根が圧迫される狭窄症で最も多いタイプです。 片側の殿部から足先にかけての痛みが主訴となります。

  • 馬尾型
  •  脊柱管の中心部(馬尾神経)が圧迫されるタイプです。 下肢の痛みは少なく両下肢の痺れ、だるさ、ふらつきや膀胱障害(頻尿、残尿感、便秘等)などを伴う症状が主訴となります。 神経根型よりも症状が重度となる場合が多いとされています。

  • 混合型
  •  神経根型と馬尾型の両方が混在したタイプです。両者を合わせた症状が主訴となります。

    脊柱管狭窄症は頚椎ないし腰椎に発症することが多い疾患です。

    頚椎に生じた場合には、手足のしびれや運動障害が自覚症状として現れます。 例えば、お箸が使いにくい、字が書きにくい、ボタンが掛けにくいといった上肢の症状に加えて、歩きにくい、ふらつく、階段が上り下りしにくいなどの下肢の症状も出現します。

    腰椎の脊柱管狭窄症では、腰から下のしびれや痛みが出現します。 歩いているとお尻や足に痛みやしびれを感じ、休むと楽になる。 それでまた歩くと再び痛くなるといった、間欠跛行(かんけつはこう) と呼ばれる症状がとても特徴的です。

    脊柱管狭窄症のイラスト

    これらの変化は基本的に加齢変化ですので、ご高齢の方に多く見られます。 しかし、狭窄のあるすべての人に症状が出るわけではありません。画像診断上狭窄があっても痛みやしびれなどの症状が出ない場合もあります。

    4.脊柱管狭窄症の診察

     脊柱管狭窄症の診察では、身体的所見や神経学的所見を診ます。 前屈みと後ろそらしのどちらで痛みを感じるか、横に曲げることで脚に痛みが走らないか、足の温度に右と左で差がないか、 などの身体所見を診ると同時に、筋肉の力や深部腱反射を確認し、皮膚の感覚を調べることで、筋力低下や麻痺がないか神経学的所見を診て、障害のレベルを診断します。

    5.脊柱管狭窄症の検査

     脊柱管狭窄症の検査としては、レントゲン、MRI、CTの画像検査を実施します。レントゲンでは、背骨全体の並びやバランス、骨の変形の程度などを見てゆきます。 MRIでは、神経や椎間板が撮像されますので脊柱管狭窄の程度が最も良く確認できます。CTでは、骨の微細な構造が確認できますので、狭窄の生じている部位の状況を把握するために非常に有用です。 脊柱管狭窄症の診断は、症状、診察所見、画像検査を総合して判断します。

    6.おわりに

     脊柱管狭窄症は、画像検査で脊柱管狭窄が確認されたとしても、それが痛みやしびれに直接結びつくとは限りません。 画像検査の結果のみで判断せず、身体・神経学的所見の結果とも照らし合わせて、本当にその画像検査の結果が痛みやしびれの原因なのかどうかを確認していく必要があります。 またお薬やブロック注射、リハビリなどといった保存療法を行った上で良くならず、痛みやしびれ症状が強い場合には手術を検討される場合が多いです。 症状が気になる方は専門機関で検査を受けられることをおすすめします。

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